高橋俊介「自分らしいキャリアのつくり方」

高橋先生が、今までのさまざまな調査などをもとに、働く人が人生や
キャリアの節目に直面したときに、有用なメッセージとなる考え方や
発想法を選び出し、キーフレーズにまとめた1冊。


印象に残った部分をいくつか引用します。

仕事に主体的に取り組んでいなければ、そこから充実感は得られず、また受け身のままではキャリアも発展していかない。(中略)要するに、いわれたことを漫然とこなすのではなく、どうすればもっと楽しく働けるかを考え工夫することで、主体性を自分に取りもどすのである。

ライフテーマがあって、それを継続的にフォローしていると、キャリアの後半でそこに帰結することが往々にして起こる。だから、現在の仕事とは関係のないようなことであっても、自分がずっと興味をもっていることは、細々とでもいいからやめずに勉強や情報収集を続けたほうがいいのである。また、仕事でも自分のテーマが活かせないか、つねに検証するのを忘れないことだ。

仕事をプロフェッショナル化しようにも、自分は会社の管理部門で働いているから顧客や提供価値が定義できないという人がいるが、そんなことはない。管理部門であっても顧客はいるし、顧客と提供価値を意識することは必要なのだ。


とくに「ライフテーマ」のくだりは、自分自身の状況とも重なり、
じっくりとかみしめるように読みました。
わたしの今のライフテーマは「国立大学職員の人材育成」で、
大学院の研究テーマもそれにしています。
とはいえ、今の仕事とあまり関わりのないテーマをもつことに、
少し後ろめたさを感じていたのも事実です。
でも、この部分を読んで、少し気が楽になりました。
「どう活きるか」ではなく「どう活かすか」が大事なんだ、と。


昨日、講演を聞いたばかりだったので、その内容を振り返る
意味でも有益な読書でした。
仕事に主体的に取り組むことで仕事を楽しむ。大事ですね。


自分らしいキャリアのつくり方 (PHP新書)

自分らしいキャリアのつくり方 (PHP新書)